萬葉集
介 紹

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第四期

第四期 感傷詩風

大伴家持(おおとものやかもち)

 養老2年(718年)生まれ、大伴旅人の子。在京生活の後、越中国守、因幡国守に就任。歌はこの時のものが殆ど。
・万葉第4期(733~759年頃)を代表する歌人。
・歌数は477首あり、万葉集で最も多い。
・藤原氏の勢力に押され、悲劇的な生涯を送った。
・万葉集には長歌46首、短歌約431首残している。


春の野に霞たなびきうら悲し
この夕影に鶯(うぐひす)鳴くも(卷 19,4290)


【現代語訳】

  春の野に霞がたなびいていてもの悲しい。この夕方の光の中に鶯が鳴いているよ。


【中文翻譯】

夕暮臨春野,繚繞霞起

傷心對殘照,更兼黃鶯啼。

【注釈 】

1.たなびく 雲やかすみ、煙などが横に長くただよう。


吾 が 宿 のいささ群竹(むらたけ)吹く
風の音のかそけきこの夕(ゆふへ)かも(卷 19,4291)


【現代語訳】

  我が家の笹と叢竹を吹く風の音がかすかに聞こえるこの夕方だ。


【中文翻譯】

屋前細竹,聚生從群

風起微音過,簌簌又黃昏。

原文部份-

引用文獻 佐竹昭広等校注。『新日本文學大系萬葉集1-4』、岩波書局、
     1999~2003。 p.358

中譯部分-

參考文獻 趙樂甡。「 萬葉集 」,譯林出版社。2002。