萬葉集 介 紹
『万葉集』(まんようしゅう、萬葉集)とは、7世紀後半から8世紀後半頃にかけて編まれた、日本に現存する最古の歌集である。全20巻、約4500首、天皇・皇后から庶民まで、また仁徳天皇の代(4世紀)から奈良時代まで、あらゆる身分の人の、あらゆる時代の歌が収録されている。誰の手によって成立したのかは不明だが、大伴家持(717?-785)が最終的な編集に大きな役割を果たしたと考えられている。
内容
『万葉集』の名前の意味については、幾つかの説が提唱されている。例えば「万の言の葉」を集めたとする説で、「多くの言の葉=歌を集めたもの」と解するものである。その他にも、「末永く伝えられるべき歌集」とする説、葉をそのまま木の葉と解して「木の葉をもって歌にたとえた」とする説などがある。研究者の間で主流になっているのは、『古事記』の序文に「後葉(のちのよ)に流(つた)へむと欲ふ」とあるように、「葉」を「世」の意味にとり、「万世にまで末永く伝えられるべき歌集」と取る考え方である。
引用文獻 佐竹昭広等校注。『新日本文學大系萬葉集1-4』、岩波書局、 1999~2003年。